【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】
第3章 物思い
「幸村様にその気がないのならば、仕方のないことです」
牡丹はそうして道場の真ん中に腰を落ち着けると、ちょこんと膝を抱えて座った。
「私は幸村様の好みの女ではないのでしょう?」
身体を売っていたときでさえ、お前は好みじゃないとさんざん言われてきた。
可愛げないだの、もっと幼子が良いだの。
もちろん、天海様のようにお気に召して下さる方もいらっしゃったが…
幸村様はそうじゃないのだ。
最初から諦めている。
「あっ、いや…その、そそそ、某は…」
遠ーく、マグマが沸く道場の端の端で、幸村様はたじろぎながらも私とかろうじて会話をしてくれた。
この距離が近づくことはあるのだろうか。
「大丈夫ですよ、幸村様。私に良い考えがあるのです」
好いた人の手は煩わせたくない。
そもそも、幸村様には恋した人と初めての夜を迎えて欲しい。
誰かに、言われたからではなく。
こんな、無理矢理ではなく。
こんな、私ではなく…。
「目と、耳を閉じて居て下さい。そうすればきっと…うまく行くはずですから…」
素肌を晒すことに抵抗がない牡丹は、そうして帯を解き、着ていた物をすべて床に散らした。
幸村は、はっと目を見張ったが、やはり牡丹の言う通り、目をぎゅっと瞑り、耳を両の手で塞いでしまった。
その姿は、まるで怯える子供みたいだ。
「あの時、私を救い出してくれた時と正反対ですね?」
ぽつりと呟いて問い、返答がないとわかると、彼が本当に視界と音を途切れさせたのだと確認出来た。
よし、これで大丈夫。
牡丹は、そっと、いつもやっているように、自分の秘芽に手を伸ばしていった。