【BASARA】幸村落ち。元遊女ヒロイン【内容激しめR18】
第3章 物思い
翌日も、その翌日も、日が昇り落ちるまで幸村様の馬に揺られて、夜になるとあの忍びに抱かれていた。
「ねえ、俺様の名前、猿飛佐助っていうの、そろそろ覚えてくんない?そんな大将ばっかみてないでさ」
この男は意地悪いことに、必ず牡丹を幸村様の寝ているすぐそこで交わった。
騎乗位や松葉崩し、ま○ぐり返し等、好き放題にする。
だが、その横で起きない幸村様の方もある意味凄い。
よっぽどこの猿飛佐助を信頼しているのか、それとも…。
……
それから甲斐の武田領に着き、幸村様の別宅の一室をあてがわれた。
それを知った牡丹はとびきり喜んだものだが、そう、最初に説明していた通り、彼は牡丹に一度も会いに来ることはなかった。
ついでに言えば、猿飛佐助も、だ。
あの人のことだから、日が落ちれば夜這に来ると思っていたが、そういうことでもないらしい。
まあ、ただの遊びには慣れている。
それよりも…。
幸村様に逢えないのは寂しい…。
例え好いてくれなくても良いから、こんな穢れた生き方をしてきた私を嫌いでもいいから、少しの間、顔を見せて欲しい。
こんなにも誰かに逢いたいと叫び狂うような感覚に陥るのは初めてだ。
これが恋。
これが一目惚れ…。
いつかお前にも分かると言っていたのは私を一夜買った豊臣秀吉様だっけ…。
物思いに耽りながら屋敷の中を散策していたせいか、はっと気付くと見知らぬ場所に出た。
当たり前のようだが、武田の屋敷は広い。
幸村の屋敷もその中にあるが、広すぎて未だにその全容を把握しきれない。
まるで迷路のようだ。