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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第5章 Eye of the Silver Wolf


「・・・・・・・・・・・・・・・」


辺りを包み込む静けさ。
リヴァイの瞳が、わずかに熱を帯びた。


「俺は・・・」


泥のついた右手が、サクラの頬に触れた。
体温を確かめるかのように、指の腹で肌を撫でる。


「巨人じゃねぇぞ・・・」


ハンジの実験で巨人に語りかけていたサクラの姿が、リヴァイの脳裏に蘇る。


“お前達に感情はあるの?欠落しているのなら、なぜ欠落したの?”

“お前の、感情はどこ・・・?私に触れることはできる?”


するとサクラは微笑んだ。


「でも・・・兵長は、私の知らない世界にいるような気がするんです」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「だから、知りたいんです。兵長が普段どのような景色を見ているのか」


知りたい?
どこまで行っても息苦しい、閉鎖された世界をか?
一瞬だって長くはいたくないのに。


「クソみてぇなモンだぞ・・・?」


リヴァイは太陽を直視するかのように、目を細めながらサクラを見つめた。


不思議な女だ。
兵士としての能力はさほど高くないはずなのに、なぜかこの俺を圧倒させる。

そんな力を持っている。


「サクラ」


その名を呼ぶと苦しくなる。
その顔から目を逸らしたくなる。

眩しい・・・月明かりのせいか?

なんだ、この感情は・・・?


サクラの頬に触れていたリヴァイの手がゆっくりと、しかし名残惜しそうに離れた。


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