第5章 遭遇と探索
ケイト「えっと…ちょっと近付いて目を凝らしてみて下さい」
アスフィ「?」
言われた通りに近付くと、見えない壁のようなものを近くに感じた。
アスフィ「!これは一体…」
ケイト「よいしょっ」がちゃ
アスフィ「!!」
馬車の扉を開けられた瞬間になって、やっと馬車の全貌と馬が見えるようになりました。
アスフィ「これは一体!」
ケイト「幻の馬車と言われているのはこれが要因です。
馬車全体に認識阻害の魔法がかかるようクリエイトで付加してますので」
アスフィ「…なるほど。で、では失礼しますね」
馬車に乗ると、不思議と揺れも感じず横に扉がありました。
ケイト「あ、そこは時空間収納場所です。物置として使用できますよ」
アスフィ「!?そんなものが!?」汗
ケイト「はい。時空間魔法を付加しましたので、馬車のそれもどちらも期限は無限。大気中の魔力をもとに常に発動し続けるものです」
アスフィ「……(くらあっ)
いいですか!?そういう情報は他のファミリアには教えてはいけません!その技術もです!!
話せば取り合いになりますよ!!?」
ケイト「は、はい!;」
アスフィ「ただでさえヘルメス様だけでも厄介だというのに、これ以上の厄介事は;」頭抱
これが判明すればどうなるか目に見えている。
面白そうだから入れようだのなんだのと言い出せば…はあ;先が思いやられる;
ケイト「…ヘルメス様のこと、好きなんだね」
アスフィ「!!?//な、なにを言って
ケイト「だって…ヘルメス様のことを話す時、優しい顔をしてた^^」
アスフィ「!!//…そ、そんなことよりも依頼の方はどうしました!?」
ケイト「あ、そうだった!;すみません!今から飛ばします!
行くよ!爆太郎!!」
アスフィ「爆太郎!?;」
ケイト「爆走大好きな男の子なんで!」
何故鞭もなしに行けるのですか!?;
そんな想いとは裏腹に、一切揺れもせずに地下に迷宮がある『バベルの塔』1階内部へ凄まじい勢いで着いた。
人を全て避けているのが小窓から見え、ただの風が吹いたように感じさせているだけのようです。
それだけでも、例の『18階層まで10分もかからない(141ページ参照)』という速さは本物だと感じさせるには十分過ぎるものでした。