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【イケメン戦国】短編集✲*゚

第9章 【石田三成】待てば甘露の日和あり






「目晦まし…信玄が、よく使う手か」




謙信様に、背後から声をかけられ。
三成くんがにっこりとほほえんだまま、返事を返す。



「そうなのです。

先日、まさにしてやられまして…いつか誰かに使い返してやろうと、目論んでいた次第」



「虫一匹も殺さぬ様な顔をしている癖に…底意地が悪い」
「ふふ、お褒めに預かり光栄です」







今度こそ、三成くんは私達の元へと帰り着き。
私はと言えば、害が衣装の肩布だけで済んだことにほっと胸を撫で下ろした。



「三成、よくやった!俺も鼻が高いぞ」
「ありがとうございます、秀吉様」


「…千花の声に、奮い立ちでもした?

動きが変わったように見えたけど」



「そうですか、家康様?…でも、そうですね」




三成くんがじっと、こちらを見た。
柔らかく細められた瞳の中、昂る熱を見つけてしまいぞくり、と背が粟立つ。






「私も男、ですから。

…好いた御方に、格好いいと思って頂きたいのは当然でしょう?」




な、何言ってるの…そんな、呟くように小さな私の声に。
皆が、家康すら、笑っている。


そんな笑い声の中、信長様が声を上げた。



「して、三成…

此度の見事な試合の、褒美は何が良い」


「…え?褒美、ですか」




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