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【YOI男主】僕のスーパーヒーロー【勇利&ユーリ】

第1章 プロローグ


かつての勇利やヴィクトル、そして現役時代の純も多少程度の違いはあったが、シニアのスケーターならば、成長期の体型変化は誰もが通ってきた道である。
同時に、今後シニアで世界を相手に戦い抜く為には、乗り越えなければならない壁でもあるのだ。

『この間のアイスショーのEXは、あくまで非常事態やった。せやから、僕からは今回のユリオくんには一切手を貸せへん。どっちみち、僕もこれから自分の事があるから他所に構ってる暇あれへんし、ヤコフコーチやリリアさんがおるのに、基本部外者の僕が、ユリオくんにスケートの事で何か言うんは道理に合わんわ』
「純…」
『それに、今のユリオくんに僕から何か言うんは、彼の為にならん思うしな』

とはいえ基本世話焼きで面倒見が良く、先日のアイスショーであれだけ親身になってユーリに接していた純にとっては、歯痒くもあるだろう。
そんな風に勇利が考えていると、スマホのスピーカーから純が自分の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
『…図々しいのは承知で頼むわ。もしもユリオくんがどうにもならんようになった時には、どうか力になって上げて欲しい』
「僕が?」
『そう。今、苦しんでるあの子が一番欲しいのは、きっと同じ氷の上で戦うスケーター、勝生勇利からの言葉やと思うから』

勇利はスマホを持ち直すと、先程よりも感情のこもった純の声に耳を傾けつつ、リンクでもどかしい想いを抑え切れないような表情をするユーリを見た。
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