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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第3章 僕と「はじめまして」や、その他諸々。


『お兄ちゃんの主張』


ミケーレ・クリスピーノが、妹のサーラと共に控室へ続く廊下を歩いていると、礼之が彼と似通った面差しの眼鏡女子に、衣装の調整をして貰ってる姿を見つけた。
「こんなモンで良い?」
「うん、有難うメルちゃん」
トレードマークの青い瞳を細めた礼之は、ミケーレ達に気付くとペコリと頭を下げてくる。
「こんにちは、ミケーレさん。サーラさん」
「おう」
「貴方が『サムライ』ね。話は勇利や純から聞いてるわよ」
「え?あ、有難うございます!」
「コラ、彼女差し置いてワシのサーラに粉をかけようとすな!」
「…昔の少女漫画みたいで恐縮ですが、メルちゃんは僕の双子の妹ですよ?それに、サーラさんは素敵な女性だと思いますけど、僕にはもう心に決めた人がいるので」
「お前さんらも、双子じゃったんか」
礼之の隣で首肯しているメルヴィに、ミケーレは目を瞬かせた。

それぞれの妹達と別れたミケーレと礼之は、暫し「妹を持つ兄あるある」談義に花を咲かせる。
「そんな訳で、今年のバレンタインもメルちゃんの彼氏へのチョコは、ほぼ99.9%僕の手作りでした」
「…何で妹の彼氏なんぞのチョコを、お前さんが作っとるんじゃ」
「お菓子作りは好きですし、練習や競技の合間に気分転換も兼ねて。それに、お裁縫以外はアバウト全開の妹に任せたら、彼氏のハートよりも先に胃袋を別の意味で撃ち抜いちゃうと思うから」
「ううむ。女としてどうなんじゃろうか…」
「最近では、彼氏から妹と一緒に僕にもお礼が送られてくるようになりました…」
「ええんかそれで」
「妹は、少し心臓が弱くて激しい運動は出来ないけど、昔から僕なんかよりよっぽどしっかりしてるし。そんなメルちゃんの選んだ人なら、間違いないのかな…って」
苦笑する礼之の言葉の裏に潜む妹への信頼を読み取ったミケーレは、それでも割り切れない思いに声を出す。
「幾つになっても妹は妹じゃ!兄貴が妹の心配して何が悪い!」
「ふふ、そうですよね」
「ま、どんなに生意気で小憎らしゅうなっても、兄貴にとっては可愛い妹じゃからの」
「…何言ってるんですか?僕のメルちゃんが可愛いのは、世界の通説ですよ?」
「──お前さんも何気にキャラ濃いのぉ」

真顔になった礼之に、ミケーレは一瞬だけ素で引いた。
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