第3章 僕と「はじめまして」や、その他諸々。
『夢のショー』
※コーチのくだりは、完全にオリジナルです。
カナダ主催のアイスショーで、とある世界的人気アニメの主人公に扮したレオ・デ・ラ・イグレシアは、プリンセス役の同じアメリカの女子スケーターとペアを組みながら、2人で世界中を魔法の絨毯で巡るシーンを、ムードたっぷりに演じていた。
「おお、このJJほどじゃないが中々洗練された動きじゃないか」
「上手く物語の役にはまっている。パートナーとの息もピッタリだ」
「レオくん、今回のショーのペアプログラムの為に、猛特訓してたからねぇ」
JJとオタベックが見守る中、同じくショーに参加していた中国の季光虹が、しみじみと呟く。
やがて、演技を終えてリンク裏に戻ってきたレオは、JJ達やヴィクトルの代理で勇利に同行していた純に迎えられた。
「レオくん、お疲れ様!まるで本物の王子様みたいでカッコ良かったよ!」
「有難う、グァンホン。頑張った甲斐があったよ」
「競技とはまた違った魅力に溢れていたな。やはり元がアメリカのアニメでレオがアメリカ人だから、馴染み方が違うのだろうか?」
「うーん、というか…」
真面目な顔で質問するオタベックに、レオは帽子を外しつつ苦笑する。
「ディ○ニー系に並々ならぬ情熱を持った人が、身近におったんやろ?」
「Bingo!純、正解!」
「何で判ったの?」
「僕の同級生に、×ィズニーファンがおんねん。あの夢の世界は、好きな人にはたまらんらしいからな」
レオの返事に右側だけ笑窪を作りながら、純は勇利に答えた。
「つまり、今回のペアプログラムを作った人物が、相当のデ○ズニーフリークだったという訳か?」
「うん。このプロ作った振付師は勿論の事、俺のコーチも、年パス持ってる程だから」
「うわぁ…」
「おまけにそれ、カリフォルニアとフロリダの共通パス。今回俺、お姫様役のコと一緒に、何度『雰囲気や夢を壊すようなスケートをするな!』って怒られたか判んないよ」
あはは、と頭を掻きながら笑うレオに、一同は、改めて心から労いの言葉を贈った。