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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第3章 僕と「はじめまして」や、その他諸々。


『リアルな映像より、リアルな君の感触』


(うーん、これは予想以上だった…)
ユーリの部屋で一緒にDVDを観ていた礼之は、内心で頭を抱えていた。
最近公開されていた青年達の同性愛を主題とした映画が元で、時代や舞台は異なるが同じテーマを扱った往年の名作映画のリマスター版が出ていたので、好奇心からそのDVDを借りてきたのである。
日本で言うところのR15指定の作品だが、エスポーにいた頃もコッソリと当時の友人らとポルノ系や暴力的動画を観た事があるので、軽い気持ちで再生したものの、ただのエロスでは片付けられない内容に、礼之は次第に何とも言えない心境になってくる。
ふと、隣に腰掛ける恋人を盗み見た純は、うっすらと頬を染めたユーリが、クッションに半ば顔を埋めた状態なのに気付いた。
「大丈夫?嫌なら観るのやめようか?」
「別に、嫌って程じゃねぇから…ただ、時々ハードな描写にビックリするだけで」
ボソボソと答えるユーリが、しかし自分から離れずクッションを抱えつつもコッソリと映像を追っている様子に、礼之も再び画面に視線を戻した。
物語は佳境に入り、2人の愛憎が織りなす醜さとある意味潔さ満載で濃厚なシーンに、思わず純も片手を口元に当て画面に釘付けになっていたが、
「…っ」
鼓膜に届いたか細い吐息と、布越しに触れ合ったユーリの体温に、つい礼之の鼓動と下腹部が正直な反応を見せ始める。
「ユリ…?」
「…」
無言のユーリは、しかしそれまで肩に置かれていた礼之の手が腰に回されても拒まず、年下の恋人に身を預けるようにもたれかかった。
おずおずとユーリの手が礼之の太ももに触れるや否や、礼之はDVDを一時停止にすると、ユーリの身体をソファの上に押し倒す。
「…DVDで、滾っちまったのか?」
「違う。君の息遣いと肌の熱さに興奮した」
情欲に濡れた青い瞳を見上げながら、ユーリはそっと微笑んだ。

「もうクッションはいいの?」
「一見リアルな映像より、身近なリアルの方がずっと生々しいの判ったからな」
下半身だけ衣服を着けた礼之の膝枕で、ユーリは裸体に毛布だけ纏いながら、DVDの続きを観賞していた。
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