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【YOI・男主人公】小話集【短編オムニバス】

第3章 僕と「はじめまして」や、その他諸々。


『まだ、これからの僕ら・2』


同時にふと脳裏にJGPFの事が蘇り、もしかしてあの時自分が悪態をついた選手は、礼之だったのではないかと思い始めていた。
「まさかあいつ、あの時の事憶えてて…でも、バンケでは普通に俺と話してたよな?」
外見こそフィンランド人の母親の血を色濃く引いた礼之だが、考え方や行動は日本人気質である。
日本人はたとえ嫌な相手でも、その場は一切顔に出さず笑顔で凌ぐと、ユーリの日本語教師から聞いた事もあったので、途端に不安になってくる。
しかし、その時ユーリはレシピに書き添えられた礼之の自分宛のメモを見つけた。
『プリセツキーさんが、僕のお祖母ちゃんのレシピに興味を持ってくれて、とても嬉しいです。良かったら感想も聞かせて下さいね』
「…あの笑顔が演技なら、相当の役者だぜ」
礼之の次の試合は、勇利と同じGPS日本大会である。
既に自分はGPF進出を決めたし、敵情視察や現在は勇利と日本にいるヴィクトルへの言付を口実に、ヤコフに日本行きをねだれるかも知れない。
「今度サムライに会ったら、アドレス聞くか…べ、別にアイツに特別な感情は持ってねぇけど、こんなまだるっこしいのは勘弁だし、後で感想も書かなきゃいけねぇしな!」
先程とは別の意味で胸騒ぎを覚えながら、ユーリは礼之のレシピを大事そうに抱えた。

時は少し遡り。
「しまった、プリセツキーさんにレシピ教えるの忘れてた。だけどアドレスも交換してないし、彼のインスタにいきなりメッセージ送るのは失礼だよね…」
ロシアから日本へ帰国する空港で、礼之はスマホを抱えながら、独り悶々としていた。
「確かに僕は日本人だけど、プリセツキーさんにその場の社交辞令だったなんて、思われたくないよ…でも、どうしよう」
「礼之くん、どないしたん?」
「…!純さん、僕のお願い聞いてくれますか!?」
自分の要望を純に捲し立てながら、礼之は彼と再会出来た日には、絶対に連絡先を交換しようと固く心に誓った。


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