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擬人カレシ~真紅の狼・初めての生徒編~

第15章 誕生日譚~前哨


そして、こんな自分を佐奈もまた、確かに分かりにくい、と評することはあるが。
でも、一人目の『あの人』と違うのは……。

『でも、よく見ると分かるもんだね』

まだすこーし、なんだけど。
そんな風に笑ってくれること、だろうか。
まあ他にも。

『私ばっかりバレバレってずるくない?』

なんて、感情がそのまま表情に出やすい彼女は、それを自分に言い当てられる度に悔しげに唸っていたこともあった。
他にも、今につながる佐奈との関わりは既に数えきれない。
大事な…先生。
そして今ではそれ以上の、大切な…恋しい、女性……。
とうに自覚した、決して消せない想いに、煉の手に無意識に力が篭もる…と、

「……っ、煉?」

瞬間、佐奈は戸惑いの声を上げた。
手をつないでいるだけでも何だか驚いて、緊張してしまっているのに、でも、それを悟られたくないと思ってしまうのは、理由こそ違えど、佐奈も同様だったりしたから。

(私が動揺してどうすんの!)

煉には別にどうってことないかもしれないのに。
自分だけが…『先生』がおろおろしてどうするんだ。
佐奈は自分で自分に突っ込みを入れる…けれど、擬人化だろうと何だろうと、隣にいるのはどう見ても大人の男性…なのだ。
佐奈よりずっと背も高くて、触れる手は大きくて、男らしくごつごつして骨張って…力強くて……。

(いやいやいやいやっ)

何を考えて…しかも何を意識しちゃってるんだ、自分!と自らを叱咤して、何とか繕うように煉を見上げる、と。

「ごめん、痛かった?」
「え? あ、い、いや、その、そういう…わけじゃ、ない、けど……」

我ながら何をしどろもどろになっているのか。
これじゃ変に思われるだけじゃないか。
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