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擬人カレシ~真紅の狼・初めての生徒編~

第15章 誕生日譚~前哨


どうしてサイズがバレてるんだ、と一瞬引き攣った佐奈だったが、考えてみれば服のサイズくらい同居していればお互いに知れることか、と佐奈は思い直した(佐奈にしても煉の服や靴のサイズくらい知っているし)。
とはいえ。

『煉の誕生日なのに、どうして私の服なの!?』

納得できないものは、できない。
だからそう訴えたのに。

『だって、こうでもしないと受け取ってくれないでしょ。ってわけで、はい、着てきてね』
『れ……』
『俺のお願い、聞いてくれるんだよね?』

完全確信犯的…いや、悪魔的(?)微笑を背に、佐奈がふらふらと試着室に入った…のが、今、この状況だ。
いっそ、まるで趣味じゃない服だったら、さすがに無理だと突っ返す口実にもなるのに。

(どうしてこう……)

それは見事に佐奈の好みにマッチしていて、気に入らないと拒むことも、もはやできない。
この辺りも煉はしっかり分かっていそうなのが、何だか佐奈には悔しいところだ。
彼とは確かに一緒に暮らしていて、だから互いの好みだって、その気になれば把握しやすい環境にある。
お陰で、佐奈にしても、煉の好みは何となくだが分かるようになった。

そうして分かるようになって気づいたのが、好みが似ている…ということだ。
つまりは、自分好みの選択をすれば、相手の好みにもヒットする確率が高い。
そして今、正に佐奈が身に着けつつあるそれらもまた……。
突っぱねられない。
断る理由が探せない。
でもこれ一式全てなんて、かなり値の張る買い物だ。
まさか彼は、この代金を支払うつもりなんだろうか。
呆然としていると、外から女性店員の声が掛かる。
着替えた自分を姿見に映し見る余裕もないまま慌ててドアを開ければ、目の前には待ちかねたように煉が立っていた。

「良かった。すごく似合ってる」
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