第13章 カフェ騒動
『でも、そういうのもお仕事なんだよね』
いつか…どちらが口にしたものか、合わない相手というのはいるものだ…なんて話をした時、佐奈がぽつりと零した言葉が、不意に煉の脳裏をよぎった。
『だからね、煉にも絶対みんなと仲良くしろ!なんて言わないよ?いろんな人がいるから、どうしても仲良くなれない相手っていうのは、やっぱり何処にでもいると思うし。私もまあ、そうだしさ。でも……』
無理して友達にならなくても良い。
だけど、自分なりに立ち回っていくこともまた……。
「これも仕事…か」
誰にともなく呟いて、煉は背を向けた。
「それでは、仕事が残っているので失礼します」
もはや関与する気ゼロな空気をありありと滲ませて、煉はその場を去ろうとする。
一瞬、呼び止める素振りを見せた友人には、ただ薄く笑うだけにすれば、それだけで伝わったのか、彼は煉と同じ薄い微笑を浮かべて彼女たちを見下ろした。
「二度と邪魔すんなよ、こら!だってさ」
そう言って、にんまり笑った彼に、煉は束の間足を止め、やや疲れたように眉間を寄せた。
「誰がそんなことを……」
ぼやきは…友人へ。
それから。
「貴女方に興味はありませんが、今度妙な真似をしたら俺にも考えがありますから、よく考えて行動してくださいね」
にっこり、と、その実、何処か凍えるような笑みを置き土産に投げつけた、その先はもちろん二匹の彼女達へ。
そうして再び背を向けたなら、煉は二度と背後になんて頓着しなかった(その後に例の二匹がどんなに騒ごうが怖がっていようが知ったこっちゃない)。