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擬人カレシ~真紅の狼・初めての生徒編~

第11章 眠れない夜(煉視点)


「違うよ。そんなんじゃないから」
「でも、寝てないんでしょ?」
「それは、まあ、そうかもだけど。体勢とかそういうことじゃなくて(ある意味そうだけど)、昨日は色々あったから、ちょっと頭が冴えちゃったというか。あんまり熟睡できなかったみたいだ」

だから気にしないでよ、と、笑う煉はしかし、最後はちょっと苦し紛れだなあ、なんて我ながら思いつつ。
できればこれ以上の追及は勘弁して欲しい。
そんな煉の切実(?)な願いが届いたのかどうなのか、佐奈は、むぅ、と眉間を寄せつつも、それ以上問うのをやめてくれた、が、

「ごめん、私だけ寝ちゃって」

今度は何やら自己嫌悪しているらしい。
煉は一瞬きょとん、としながら、軽い身のこなしで立ち上がる。
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲み干して、はっ、と息を吐きながら笑った。

「別に、先生が謝ることなんてないでしょ」
「でも」
「俺が寝れなかったのほあ、別に先生のせいじゃないんだし」

まあ、狼の耳は出ちゃったけど、と茶化しながら、煉は一つ教訓(?)を刻む。

(先生の膝枕は要注意、だね)

すごく気持ち良くて、幸せな気分になれる…一方で、危険だ。
佐奈は何も知らないだろうけど、それはもう、色々な意味で……。
だから当面、これは要注意。

「それより、今日はせっかく先生も休みだし、俺もバイトなかったのに、一緒に出かけられなくなっちゃったね」
「え?」

ただ買い出しに行くとか、そういうんじゃなくて、二人でのんびり出かけてみたい。
それは確かに佐奈の願望でもあったが、どうして煉はそれを知っているような口振りをするのだろうか。
寝ぼけ発言をした自分を覚えていない佐奈には、何も分からない。
それを全て承知の上で、煉は楽しそうに、次までお預けだね…と、ただ笑っていた。
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