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擬人カレシ~真紅の狼・初めての生徒編~

第10章 夜語り


そうして…それからは、何ということもない、俗にいうとりとめのない、他愛ない話というものに、真夜中に関わらず二人は終始した。

「ねえ、先生?」
「ん?」
「頭でっかちって、なに?」
「え?」
「俺、前は一生懸命勉強したって言ったけど、そしたらバイト先で、机の上の勉強ばっかりで、お前は頭でっかちだなって言われたことがあるんだ」
「あー、それは、えーと……」
「あとは…ああ、他にも、耳年増ってなに?」

などなど、質問タイムが繰り広げられたりもして。
そんなことをしている内に、つい、うとうとと舟を漕ぎ出したのは、煉だった。
ゆらり、と傾いた頭を、そーっと、膝の上に載せて、佐奈は彼の赤い髪を撫でる。

「おやすみ、煉」

擬人化だろうと、男の人とこんな風に密着したら、どきどきしないはずがない。
だから本当は、煉が肩に触れた時も、煉に抱きしめられた時も、心臓がばくばくうるさくなったりもした。
でも、煉は大事な話をしているのに、自分がそんな風に意識しちゃいけない。
ちゃんとしなくちゃ。
自分は先生なんだから、と自分に言い聞かせて、佐奈は彼との至近距離を必死にやり過ごした。
もしかしたら、ちょっと顔が赤くなっていたかもしれないけれど、心臓の音が伝わってしまったかもしれないけれど。
幸い、煉は何も追求してこなかったし、話している内に…自分は先生なんだからと言い聞かせている内に、うるさい鼓動もどうにか収まってくれたから。
だから…何もない振りで。

「煉は…いっぱい頑張ってきたんだね」

私も頑張らなきゃ、と継いで、ぼんやりと窓の外を見る。
夜明けまでは…もう少し。
結局、今夜は眠らずに終わりそうだ…と佐奈は一人、穏やかに目を伏せていた。
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