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擬人カレシ~真紅の狼・初めての生徒編~

第2章 共同生活


擬人化の生徒を受け入れ、その先生になるに当たって、それまでワンルームで一人暮らししていた佐奈は、擬人研究所によって用意された、二人で暮らすに十分な広さを持ち、かつセキュリティも完備の、擬人化とその先生が既に何組も入居しているというマンションへ引っ越した。

研究所の先輩曰く、広い上に最新のセキュリティ…しかも職場である擬人研究所も徒歩圏内という好立地マンションに格安(家賃の一部は研究所が負担してくれるらしく、こういう部屋が研究所周辺にいくつも用意されているらしい)で暮らせるのは、『先生』になった人間の特権だと嬉しそう…というより誇らしげに教えてくれたものだが。

それより何より『煉』という生徒を得た佐奈は、最初はもう、何をどうしたら良いかなんて、まるで分らなかった。
が、幸い、人間社会と接する為に必須とされているアルバイトの他、学校に通う子供よろしく、今も擬人研究所の授業の為、あるいは他の擬人化達との交流の為、煉はしばしば外出したりもする。

どうやって『先生』をしたら良いのかと思っていたが、考えてみれば一日中『彼』を指導しなければならないわけではないのだ。
何しろ、佐奈自身にしたところで、自分の仕事というものがあるわけで(もちろん研究所での)。
接点といえば、平日は朝と夜くらい…だが、休日はそうもいかない。
さてどう接するべきか…と、これまた悩む佐奈をよそに、煉といえば、

「俺、バイト入ってるんで」
「あ、そう、なんだ」
「はい」

そのまま、ふい、と背を向けられてしまったので。

「あ、あの!」

思わず、つい思わず、佐奈は煉に呼びかけてしまい。
途端、緩やかなに停止した背中…から首だけを巡らせた彼に、佐奈は慌てた。

(何やってるかな、私!)

特に用があったわけでもないのに、何故か声が出てしまった。
でも……。

「えっと、その。行ってらっしゃい!」
「……………」
「気をつけて。バイト頑張ってね」

これはダメダメだ。
いや、言動的には至極普通なのかもしれないが、でも、これは全然先生らしくない…気がする。
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