第20章 新しい関係
「な…なっ、なに、いって……」
『冗談じゃないから』
「れん?」
『検査結果なんて待たなくても全然問題ないって思ってたし、実際そうだったけど。でも、結果が出るまでの間、考えたんだ。もし何か悪いところがあったら。そのせいで、もし佐奈にも悪い影響が出るようなことになったら…って』
感染するような病気でもあるまいし、そんなのは考えすぎだって分かってたけど、と区切って、煉はそれでも、と耳の向こう側で息を吐いた。
『佐奈に何かあったら嫌なんだ。俺は、佐奈を守りたい。合宿の後は、もっとそう思うようになったよ』
「れん……」
呟きながら、何だか佐奈は目の奥が熱くなりそうだった。
『佐奈は、俺が守るから』
重なる、誓いにも似た声に、佐奈は何だか泣きたくなる。
が、それに反して、向こう側では何だか苦笑いが零れていた。
『でも佐奈と気持ちが通じたのが嬉しくて。だから、もし何処か異常があるとしても、抱きしめてキスするだけなら、佐奈に影響はないだろう、って思ったんだ。だから最初の頃は、そうしてた』
煉の告白の中に、佐奈は思い当たる節を感じる。
「うん」
短い佐奈の声に促されるように、煉は言葉を継いだ。
『けど、一度触れたら、もっと触れたくて、どんどん欲深くなっていく自分に、俺は気が付いたよ。ただ抱きしめるだけじゃ…キスするだけじゃ、足りないんだ。全部、欲しくなる……』
だから、堪えきれなくなった自分が暴走する前に、あまり佐奈に触れないように自制するようにしたのだ、と煉は恥ずかしそう…というよりは、ちょっと言いたくなさそうに白状した。