第20章 新しい関係
一緒に歩いていれば、いつの間にか煉が車道側を歩いてくれていたり、何かと手伝ってくれて、助けてくれて、守るように、庇うように傍にいてくれる、それは変わらないけれど。
それだって、すごく嬉しいこと…なんだけど。
でも。
「変だよ……」
恋人同士…なのに。
だったら自分から…と、もちろん思わなくもない佐奈だったが、今のあの状況の彼にそんな風にして、拒否られたら……。
(駄目だ……)
きっと凹むなんてもんじゃ済まない、と自己分析してみたりして。
臆病な気持ちが浮かんで、動けない自分がいる。
「あー、もーっ」
佐奈は天井に向かって両手を突き出した。
本当はこんな風にうだうだと一人どんより思い悩むなんて嫌だし、そんなことしていたくない。
でも、気になる。
気になるから知りたいし、ちゃんと訊こうと思ったことだってある…のだが。
(何か…タイミングというか……)
何となく、佐奈が訊ねようとすると、煉はそれをはぐらかそうとするのだ。
訊かれたくないんだと、それだけで分かってしまう。
だから…訊けないまま…。
何だか…切ない。
佐奈は切なくて、淋しくなった。
煉は相変わらず優しいし、前にも増して、すごく大事にしてくれているのが自分でも分かる。
分かるけど、ただ守られて、大事にされて、優しくされる。
それだけじゃ……。
「やっぱり嫌だよ、煉……」