第20章 新しい関係
そんな…間隙……。
ちゅっ……。
そうじゃなくても熱くなりかけていた佐奈の頬に、柔らかな…佐奈とは違う熱が触れて…離れた。
瞬間、一気に上昇した熱もそのまま、佐奈は思わず顔を上げる。
でも…すぐにまた、恥ずかしくて目を伏せる羽目に陥ったのは、目の前の煉が、すごく…ものすごく嬉しそうに、幸せそうに目を細めていたから……。
「佐奈……」
そう呼ぶ声は、確かに煉のものなのに、そうじゃないような。
初めて聞くような甘い声と同時に、大きな掌が佐奈の頬を微かに掠める。
ぴく、と反応してしまう自分を、けれど佐奈はどうにもできなかった。
(ど、どきどきする……っ)
ここは研究所の医療部で…病院同様の場所で、それなのに…こんなところで……。
とか何とか、色々考えて気を散らしてもみるのだが。
(ど、ど…しよ……っ)
嫌なんじゃない。
その逆なくらい…なのだが、でも、自分は今、先生として煉に付き添ってきているわけで……。
(ぅぅぅ~~~っ)
そんな佐奈の葛藤を知っているのかいないのか、煉は、名残惜しそうに、もう一度佐奈の頬に手を滑らせ、そのまま、再び距離を詰めようとした…その時、だった。