第4章 煉について
擬人化した彼がアルバイトをしたり、外出したり、そんな一つ一つが最初の頃は心配で心配で、でも口うるさく言うのもどうかと思いつつも、でも気になってそわそわしていると、その度に煉に何度も言われたものだ(今もだが)。
「先生の心配性」
薄く笑って、最初の頃は何処かどうでも良さそうに。
でもいつの間にか、笑い方がちょっと変わったような…そんな感じがするのは気のせいだろうか。
「だけど」
多少は自分との生活に慣れてくれたのかな、と思うのは勝手な思い込みかもしれないが、でも、もしそうなら嬉しいな、なんて思ってしまう。
「それにさ、心配性っていうならあっちだって」
そうなのだ。
人を心配性呼ばわりするくせに、煉の方こそ、佐奈の帰りが遅かったりすると心配して連絡してきたり……。
と、そこまで思い返して、佐奈はふと時計を見る、が、まだ定時を過ぎたばかりだ。
「煉もまだバイト中かな」
今日はラストまでとか言っていたから、彼も帰りが遅くなるだろう。
それなら今夜は夕食…というには、彼は遅い時間になるだろうから、軽い夜食でも作っておこうか。
「うん、おにぎりとかにしよっかな」
それなら失敗しないしね、とちょっと自分に突っ込みながら、佐奈はその日の報告ボタンを押す。
あとは画面を閉じるだけのそこには、もう何度も見た煉の基本情報が表示されていた。
誕生日(=擬人化した日付となるらしいが)、身長、体重、擬人化および獣化の際の画像の他、人間社会への順応や知識をレベル化した数字と、大雑把ながら10種類に分類された性格タイプの中から、第一と第二の二タイプに分けて入力することで、対象とする擬人化の性格をより把握しやすいようにされている。