第17章 心の距離とか、温度…とか
「君の先生なら、今頃、部屋で君の帰りを待ってると思うよ」
「え?」
それには、自分達がいたら邪魔になる。
「俺はそう思うんだけど?」
佐奈はどう?なんて、わざと問いを投げる煉に、佐奈は目を瞬かせ、それから、悪戯っぽく笑った。
「家でゆっくりアイス食べたいね」
この前買ってきたやつがまだあったはずだよね、なんて、遠回しに自分達の帰宅を仄めかす佐奈のそれは、煉を肯定したものらしい。
煉は口元を綻ばせて、遙の背中を軽く小突いた。
「そういうわけだから、君も早く……」
煉がそう言いかけた時、公園の入口に、人影が映る。
それが誰のものかなんて、それは……。
「穂香…さん…?」
呟きながら、ふらり、と遙が近づいていく。
それを見送って、佐奈は小さく吐息した。
(遙くん、ちゃんと話せると良いね)
心の中で呟くと、ふと、佐奈は視線を感じて上を見る、とそこには煉が見下ろしていて。
「?」
なあに?と佐奈は目線で疑問を投げてみる、と、しっかり意図を察したらしい煉が瞳は和ませた。
「家にもアイスはあるけど。どうせなら、すぐそこのカフェでカキ氷っていうのはどう?」
指差した先にはカフェ…と、その軒先に見えるのは『氷』の文字。
佐奈は笑顔で頷いた。
「良いね、それ」
「じゃ、行きますか?」
「行きます!」
わざとらしく手を挙げて、佐奈は笑みを作った。