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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)






初めて身体を重ねたその日から、ゾロはさらにクレイオを求めるようになった。

鍛錬が終われば汗を洗い流す前にクレイオの姿を探し、料理中であろうが、読書中であろうが構わず背中から抱きしめ、頬にキスをする。
それが、“おれの部屋に来い”という合図だった。


「クレイオ~! どこだ~?」

二人の上昇した体温のせいで湿っぽくなった部屋に、ペローナの声が聞こえてくる。
クレイオは返事をするため、覆いかぶさっているゾロを押しどけて身体を起こそうとした。

「ゾロ、どいて。ペローナが呼んでる」
「放っておけよ」

射精したばかりでまだ余韻に浸っていたいのに、邪魔が入ったとばかりにゾロは顔をしかめた。
何より、クレイオが普通に起き上がろうとしていることに腹が立つ。

「随分と余裕じゃねェか。一回じゃ足りねェか?」
「は?」

起き上がれないように両肩をベッドに押し付け、上から見下ろす。
頬はまだ上気しているし、胸の谷間には汗が滲んでいる。
情事の色をこんなに残しているのに、ペローナの所へ行こうというのか。

「ほっとけ。どうせ大した用事じゃねェ」
「でも、そろそろ行かないと夕飯の準備が・・・!」
「少しくらい飯の時間が遅れてもいいだろ」

こっちはまだ足りないんだ。
昨日も、一昨日も抱いたが、性欲は日ごと増すばかり。

「ちょっと、ゾロ・・・!」

右脚を持ち上げて太ももの付け根に舌を這わせ始めたゾロに、クレイオは慌てた顔で緑頭を掴んだ。

「ダメだって! ペローナが入ってきたらどうするの!!」

ここはゾロの部屋だ。
でも、“ホロホロの実”を食べたゴースト人間のペローナなら、簡単にドアをすり抜けて入ってくることができる。
実際、そういう事はよくあった。
ゾロとペローナの間に遠慮が一切ないのはいい事だが、時と場合による。

「別にいいだろ。見られて減るもんじゃねェ」
「そういう問題じゃ・・・!」

何故、そんなに余裕でいられるのか。
ミホークにクレイオを抱くと宣言した事といい、ゾロの貞操観念は他人と少し違うのかもしれない。







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