第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)
微笑むクレイオを見下ろし、ゾロは真っ赤な舌で下唇を舐めた。
「その顔、やべェな。お前を抱きたくて仕方ねェ」
本能をそのまま口にする、猛獣。
もうその強すぎる魅力に、抗うことはできなさそうだ。
「ゾロ・・・」
クレイオの両腕がゾロの首に回る。
それは二人が出会ってから初めてのこと。
「背中が地面についたら勝負あり・・・だったわよね」
ならば、貴方に押し倒された時点で勝負はあった。
「私の負けよ、ゾロ」
キスを強請るように顔を引き寄せ、唇を重ね合わせる。
「貴方の好きにして」
“別々の植物が、ともに生きることで互いの力を引き出すのよ”
“コンパニオンプランツのように、自分を強くしてくれる出会いがある。貴方との出会いがそれならば、私は神に感謝したい”
ああ、私と貴方はコンパニオンプランツではなかった。
寄り添って生きることで互いを強くするのではなく、
命を脅かす存在となることで、貴方は私を強くしてくれるのね。
最低な男・・・それなのに・・・
貴方との出会いを、神に感謝してやまない。
「私もゾロに抱かれたい」
快楽の地獄に堕ちるなら、貴方と一緒がいい。
「私の命も、身体も、心も、今は貴方の手の中にある」
するとクレイオの背中を支えていたゾロの腕に力が込められた。
間髪入れずに、骨を砕かんばかりの勢いと馬鹿力で抱きしめてくる。
「はははは! ようやく観念したかよ」
嬉しそうに笑う猛獣は、絶対にクレイオを放さないとばかりに抱きながら立ち上がった。
「ここで今すぐヤりてェが、さすがに十字架の前でお前を裸にするわけにはいかねェ。さっさと城に戻るぞ」
それでももう我慢できなかったのか、食らいつくように何度も唇にキスをしていた。