• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第9章 ロザリオの祈り(ゾロ+α)




「だが、おれとクレイオは違う。お前は人を殺したら、その理由がどうであれ、自分を責め続ける」

中途半端な覚悟しか決められねェ奴だ、と言って笑う。
その言い草にクレイオがムッとした顔で睨みつけると、ゾロは微笑みながらそんなクレイオの頬をもう一度撫でた。


「人を殺す覚悟が決められねェなら、人を殺さねェ覚悟を決めてみたらどうだ?」


お前の中に眠るミホークの血を制御してみろ。
おれにいい考えがある。


「もしお前が今後、どのような理由であろうと人を殺したら───」


ゾロの腰の三本の刀が、それぞれぶつかり合って冷たい音を放つ。


「おれがお前を殺す」


そうしたらお前はもう、罪の意識に苛まれることはない。
ミホークの血に怯えることもない。


「お前が人を殺したと分かったら、おれはお前を斬るために、世界の果てからでも駆け付ける」


ゾロの目は本気だった。

安心しろ。
たった今、証明したように、おれは剣術でも、体術でも、覇気でもお前を上回る。
例え“鷹の目”の血が暴れたとしても、おれはミホーク自身を越える予定だから問題ない。


「おれに殺されたくなけりゃ、必死こいて人を殺さねェよう、自分をコントロールすることだな」


言っただろ、おれも一緒に地獄に堕ちてやると。
お前が人殺しになったら、おれも必然的にそうなるんだ。
ついでに言うと、仲間と離れてお前の所に駆け付けなければならないリスクも背負わせられる。


「どうだ、悪くねェ話だろ?」


不敵に笑うゾロを見上げ、クレイオの表情にも初めて変化が現れた。


「・・・最低な男」


だが、クレイオは嬉しそうに微笑んでいた。


当然、これまでも理由があって人を殺していたけれど・・・
これからは、殺さない方にとても強い理由ができた。

どんなに赦し難い罪人でも、命を奪うわけにはいかない。

だって、貴方が世界の果てからでも私を殺しにやってくる。
大事な仲間を置いて・・・

───それは貴方にとって、とてもつらいことでしょう?


私は貴方に殺されたくないし、
そこまで大切に思っている仲間から貴方を引き離したくもない。







/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp