第8章 真珠の耳飾りの少女(コラソン)
「そうしたらお前は自由なんだぞ!」
リュウグウ王国に戻ることだってできる。
ネプチューン王は偉大な方だ、センゴクさんの口添えがあれば何があってもクレイオを匿ってくれるだろう。
「もう君を縛るものは何もない。おれがドフラミンゴの暴走を止めて帰ってくるまで・・・待っていてくれな」
何年かかるか分からないけれど、全てが終わったら・・・
「一緒にドレスローザに行こう!!」
ヒマワリを、見に行こう。
あの美しい景色を、君にも見せたい。
「うん・・・」
小さく頷いたクレイオに、ロシナンテは微笑みながら頬にキスを落とした。
優しいその感触に、願わずにはいられない。
どうか、死なないで。
もし貴方に命の危険が及んだら、私を迷わずインペルダウンに連れていって。
「ロシナンテ・・・私は貴方を信じてる」
貴方は決して、私を一人にしない、と───
「ああ、おれは必ず君を助けるからな」
少しだけすれ違う二人の想い。
だけどそれは、本当に心から互いを思うがために生まれた、ほんのわずかなズレだった。