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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第8章 真珠の耳飾りの少女(コラソン)




「ドフラミンゴがドレスローザを狙っているというのは未確認情報だと言っただろう。そこまでしてヤツの海賊団に入ったとしても、ただのガセネタだったということもあり得る」

「それでもいいんです。これ以上ドフラミンゴが罪を重ねるのは、弟として阻止したい」

「そうか・・・」

幸か不幸か、ドフラミンゴはロシナンテが海兵だという事は知らないはず。
だが果たして、14年間も行方知れずだった弟を、そう易々と受け入れるだろうか。

いや・・・考えるのはよそう。


「まったく・・・貴様の幼稚な計画で、海軍のメンツが潰れることになるな」


ロシナンテを護送役に推薦したセンゴクにも何等かの責任が問われることになるだろう。
親バカかもしれないが、それでも“息子”が決めた覚悟を後押ししてやりたい。

「す、すみません・・・でも、おれはッ」

「だが、条件がある」

センゴクはシワが目立つようになった目でロシナンテを見つめた。

「お前が海兵でなくなっても、おれの部下である事には変わりない。ドンキホーテ海賊団に入ったら、必ず定期的に連絡を寄越すこと」

「わかりました、必ず!」

「それだけではないぞ」

温かく、愛情に溢れた眼差し。
別れを惜しむように、成長した“我が子”に目を細める。


「約束しろ、ロシナンテ。それほどの覚悟があるならば・・・」


命は一つしかないんだ。
無駄に捨てることだけは絶対にするな。


「お前の命と引き換えに、クレイオを必ず助けろ」


おれが育てた、心優しい海兵。
その命と引き換えに。


「約束します・・・センゴクさん・・・!」


あの日、空を仰いで泣いていた少年は・・・
出会った時と同じ、純粋な涙を浮かべながら微笑んでいた。










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