第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
「らしくねェことを言って、おれを慰めているつもりか?」
「貴方は今、慰められたいの?」
シーザーを奪われて困っているの?
ヴェルゴやモネを失って悲しいの?
ローに裏切られて寂しいの?
貴方はいつもサングラスで表情を隠し、笑顔で感情を隠しているから分からない。
するとドフラミンゴは額に血管を数本浮き上がらせながら、クレイオを見下ろして笑った。
「慰められる? フフフフ、このおれがか?」
「・・・少なくとも、昨日の夜の貴方はそう見えたわ」
身体中に残った、うっ血の痕。
どれもドフラミンゴに強く掴まれてできたものだ。
シーザー、ヴェルゴ、モネ、ロー。
貴方の目の前から消えていった彼らの代わりに、私を繋ぎとめておきたがっているようだった。
でも、そんなクレイオの言葉は、ドフラミンゴの自尊心を逆撫でしてしまったらしい。
「───玩具のくせに、知ったような口を聞くじゃねェか」
ガタンと閉じられた窓に身体を押し付けられ、差し込む朝日の温かさを背中に感じる。
もう少し強い力で押されたらガラスが砕け散り、外へ突き落されてしまうだろう。
その恐怖と、ドフラミンゴが漂わせる狂気への恐怖に、無意識のうちに身体が震えてしまう。
「そう怯えるな、クレイオ・・・おれは怒っているわけではない。むしろ、喜んでいる」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前が生きられる場所は、おれのそば以外にはないということを、ちゃんと理解しているようだ」
ドフラミンゴはクレイオの乳房の柔らかさを楽しむかのように揉みながら、まだ垂れたままの大きな男根を下腹部に押し当ててきた。
「褒美に、今日一日だけ外出を許す」
「・・・え・・・?」
突然の外出許可に、クレイオは戸惑った。
「ディアマンテに開かせるコロシアムに、特等席を用意させるから楽しんでこい」
だが、今日はローとの取引があるはず。
自分が留守にすることを分かっていながらクレイオに外出を許すなんて、今までは無かったことだ。