第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
プルプルプルプル・・・・・・
むせるような肉交の匂いが充満し、押し広げられた膣孔を貫く肉棒の音が響く、国王の寝室。
その快楽地獄の中で、文机の上に置かれた電伝虫が先ほどから鳴き続けている。
プルプルプルプル・・・・・・
「もう許して・・・ドフラミンゴ・・・!」
「ド・・・フィ・・・」
激しい刺激に何度も絶頂に達し、二人とも限界を迎えていた。
プルプルプルプル・・・・・・
ヴァイオレットの方はもう意識がない。
さすがのクレイオも目の焦点が合っていなかった。
ドフラミンゴは“影騎糸”を解除すると、先ほどからずっと鳴き続けている電伝虫の方へ静かに目を向ける。
ヴァイオレットに毛布をかけてやり、クレイオには唇にキス。
もちろんクレイオが気づくはずもないが、そのキスは恐ろしいほどまでに優しかった。
プルプルプルプル・・・・・・
ギシリと音をたてるベッド。
身長3メートルの大男がいなくなれば、シーツこそグチャグチャになっているものの、とても広々と感じる。
プルプルプルプル・・・・・・
先ほどまでは四階にあるこの部屋まで届いていたはずの、ドンキホーテ国王の帰還10周年を祝う祭囃子も聞こえなくなっていた。
ドフラミンゴは裸のまま、電伝虫の殻に乗った受話器を取る。
プルプルプ・・・ガチャッ
「───おれだ」
『若様、モネです』
久しぶりに聞いた部下の声に、ドフラミンゴは微かに笑みを浮かべた。
「こんな時間にどうした?」
『貴方の即位10年をお祝いしたかったのと・・・』
受話器の向こうにいるモネも微笑む。
『他言するなと言われているけど、お伝えしておこうと思って」
「なんだ?」
『トラファルガー・ローがここ、パンクハザードに滞在しています』
コラソンが命を懸けて助けた、珀鉛病に侵された少年。
「・・・・・・フッフッフッ・・・」
『若様?』
海賊となり、ついには七武海となって・・・
「とうとうおれのところまで辿り着こうというのか・・・ロー!!」
額に何本もの青筋を浮かべながらながら、悪魔のような笑みで天を仰ぐドフラミンゴ。
“最悪の世代”によって迎える彼の終焉が、足音をたてながらそこまでやってきていた。