第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
「力を抜いて」
ヴァイオレットがそう言ったのは、ただ愛撫をしやすくするためだけではない。
「これから私がすることに何も言わず、ただ身を委ねていて」
「・・・?」
不思議そうに首を傾げるクレイオに、ヴァイオレットは意味深な微笑みを浮かべた。
「これで・・・貴方は私を許してくれるかしら」
「ヴァイオレット? 許すって・・・いったい・・・」
「シッ・・・静かに・・・」
セックス以外の会話をしていることを聞かれたら、ドフラミンゴが怪しんでしまう。
彼が座っているのは、ベッドの正面に置いてある椅子。
そこからはクレイオと自分の下半身しか見えていないはずだ。
だからこそ・・・
「ふふ・・・気持ち良さそうにしている貴方、可愛い」
男なら一瞬のうちに溺れてしまうだろう色香を漂わせながら、クレイオの陰核を愛撫するヴァイオレット。
何か思うところがあるのか、その大きな瞳は儚げに揺れていた。
そして、普段はドフラミンゴに乱暴に犯されている膣に、ヴァイオレットの優しい指が差し込まれた途端、フワフワとした快楽がクレイオを包み込む。
「ッア・・・」
思わず漏れた甘く切ない声に、ドフラミンゴがピクッと顔を上げた。
何百回と身体を重ねてきたが、そんな嬌声は一度として聞いたことがない。
「クレイオ、お前・・・」
ドフラミンゴが小さく呟いたその瞬間、クレイオの視界が急に閉ざされた。
何が起きたか分からずにいると、耳元でヴァイオレットが囁く。
「クレイオ、声を出さないで。貴方に私の“記憶”を見せてあげるわ」
すると、ヴァイオレットの手で塞がれて見えないはずの目の前に、一つの光景が広がった。