第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
「まだ声を出せる余裕があるな」
「や・・・めて・・・」
許しを乞おうとする唇を奪い、舌を吸い上げる。
唾液を啜る音が大きく響いた部屋は、一切の明かりがないのにクレイオの酸欠になりかけている顔だけははっきりと見えていた。
───まだ、美しい。
ドフラミンゴは小さく微笑むと、右手の人差し指をクイッと動かす。
「イヤァ・・・!!!」
その途端、クレイオから悲鳴が上がった。
ドフラミンゴの“糸”がクリトリスに巻き付き、小さいながらも尖り勃つ花芯をきつく締め付ける。
それはまるで炎で焼かれるような、拷問とすらいえるほどの刺激だった。
「ひぃぃ・・・!!」
もはや無意識だったのだろう。
それまでずっとシーツを握っていたクレイオの手がドフラミンゴの腕を掴む。
彼女の瞳はもう、何も映してはいなかった。
ただ、ドフラミンゴを除いて・・・
「ドフラミンゴ、ドフラミンゴ・・・」
身体を仰け反らせ、小水とも潮ともつかない大量の愛液を吹き出しながら、うわ言のように名前を呼び続けるその姿に、無慈悲な悪魔は何を思ったのだろう。
「クレイオ・・・」
柔らかい声で呟き、汗でぐっしょりと濡れた長い髪に指を絡ませる。
「───全てを壊してやる」
世界が壊れていく様は、さぞ美しいだろう。
クレイオ、お前にそれを見せてやりたい。
だから、さっさとおれの手に堕ちろ。
地獄の底の、もっと奥深くへ。
身体だけでなく、その心もだ。
クレイオの性感帯を縛り上げる、ドフラミンゴの糸。
彼女を決して放しはしない、自由も与えない、そう訴えているようだ。
「おれのそばにいろ」
一瞬でも離れようものなら、このまま殺す。
そして、内臓を全て取り除き、永遠に生きる“人形”にしてやる。
溜まりに溜まった精液をクレイオの胎内に吐き出しながら見せたその微笑みは、どこか切なげでもあった。