第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~
「なんて・・・綺麗なの・・・?」
性器が繋がったまま、クレイオは窓を見上げた。
そこから挿し込む、真っ白な陽の光。
それは柔らかく、透明で、優しい。
けっして眩しいわけではないのに目を細めてしまうのは、それがあまりにも美しいから。
「陽が差す場所で愛し合っても、ちゃんと照らしてくれるのね・・・」
人が人を求める気持ちは、けっして汚いものではない。
隠す必要も、嫌う必要もないんだ。
本当に愛しているなら、闇の中でなくても堂々と身体を求めればいい。
「これが・・・本物の太陽・・・」
ずっと憧れてきた。
地下牢の明り取り窓から差し込むその光の素は、いったいどれほど力強くて美しいのだろうと。
“私に本物の太陽を見せて”
私の無茶な願いを聞き入れてくれた。
“おれは本気で、どうすればクレイオちゃんを幸せにできるか考えている”
私をこんなに幸せな気持ちにさせてくれた。
「サンジ・・・サンジ・・・」
ああ、貴方が愛しくてたまらない。
この身体の中に分けてくれた貴方の“命”が、実を結んで新たな命を宿してくれることを切に願う。
貴方が残してくれた命なら、私は無条件で愛せる。無条件でこの身を犠牲にすることができる。
だが、クレイオはその願いを口に出すことはしなかった。
サンジのような男ならきっと、そうなれば自分の夢を諦めてクレイオと一緒に生きようとするだろう。
オールブルーを見つけたい。
海賊でありたい。
そう願う彼の夢を阻むわけにはいかなかった。