第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~
太陽の光が優しく差し込む部屋。
サンジがクレイオのキモノを留めていた帯を外すと、真っ白な肩があらわになる。
ナミの日焼けした健康的な肌や、ロビンの大人の色気を帯びた肌と違い、クレイオのそれは太陽を浴びずに生きてきた少女の肌。
だが、サンジにとっては心から愛おしいものだった。
「クレイオちゃんは何もしなくていいよ」
慣れた手つきでサンジのシャツのボタンを外そうとした手を制止する。
不思議そうに見上げたクレイオに、サンジは優しく微笑んだ。
「君は今、娼婦じゃない。初めてセックスする処女だろ?」
そしておれは、初めてセックスする童貞。
そう言って笑って見せる。
失敗してもしょうがないさと肩を撫でるさりげない気遣いに、クレイオはやっぱりこの人に捧げると決めたのは間違いではなかったと確信した。
「サンジ、煙草の匂いがする」
「悪ィ、苦手だったか? もし気になるならシャワーを」
「ううん」
ありふれた匂いだけど、強ければ強いほどいい。
「サンジがいなくなっても、この匂いで貴方を思い出すことができる」
「・・・・・・・・・・・・」
洋服を脱いだサンジの身体には、ところどころに傷の痕。
それだけ常に戦いの日々を送っているということだ。
クレイオ達のような一般人にとって、世界政府や海軍に反抗するなど想像もつかないこと。
しかし、サンジ達はその絶対的な存在に戦いを挑んでいく。
自由と夢を守る、そのために。