第1章 始まりと終わりの町(シャンクス)
「驚いた・・・12年前の約束を覚えていてくれたなんて・・・」
「一度交わした約束は、死んでも守るのが男だ」
能力者が死ななければ復活することのない、悪魔の実。
もし誰かが食べていたとしたら、その人間の命が尽きるまで待たなければならない。
「人に“永遠の命”を与えることができる究極の力・・・か」
それが、“オペオペの実”の持つ究極の力。
能力者当人の命が代償となるこの“不老手術”を施された人間が過去、たった一人だけ存在する。
それが、クレイオだった。
「ありがとう・・・でも、もういいの」
「え?」
「私はこの命とともに生きていくと決めた」
何十年も・・・何百年も、自分と関わった人間の死を見送るだけの人生だと呪ってきた。
しかし、ロジャーという男が、自分に“生き方”を示してくれた。
「永遠の命を持つ私がすべきこと・・・それは、人の心を未来に残すこと。今はそう思っているから」
私の記憶は失われることがない。
たとえ、世界政府が“記録”や“歴史”として残すことを禁じたことでも、私の記憶の中には永遠に残っていく。
「・・・そうか!」
シャンクスは嬉しそうに笑みを浮かべながら、花瓶に差したハイビスカスに目を向けた。