第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~
“アァ・・・おやめください・・・! クレイオが起きてしまいます・・・”
最初は先生が泣いているのかと思った。
とても苦しそうに、息を短く切るような呻き声が断続的に響く。
“逃げたければ逃げてもよい・・・お前にそれができるのならな”
それは、紛れもなく国王の声だった。
先生を壁に押し付け、スカートを捲し上げている。
そして露わになった真っ白な尻に、股間を擦りつけていた。
“せ・・・先生・・・?”
思わず声を出してしまったクレイオに、二人はギクリとした様子で振り返った。
先生は青ざめ、王は逆に顔を赤くしていた。
“クレイオ、なぜ眠っていない!! これは子どもの見るものではない!!”
“ご・・・ごめんなさい”
「ふふ・・・おかしいでしょう? 私をそこに閉じ込めてたのは彼なのに、“どうしてお前がここにいるんだ?”って顔をするのよ」
「まさか・・・王の野郎はその先生を・・・?」
「そう、無理やり犯していたの。毎日、毎日」
国王との関係を知られた後も、先生は勉強を教えてくれた。
そして、勉強が終わると、今度はクレイオの目の前で国王に嬲られる。
その繰り返し。
だけど、彼女には耐えるしかなかった。
「いったいなぜだ! そんなのを見せられるクレイオちゃんのことを思えば、先生はいくらでも逃げられたはずだろう」
するとクレイオは首を横に振った。
「それができなかったのよ。先生には弟がいて・・・十数年前に大きな罪を犯した」
「罪・・・?」
「私のこの髪ね・・・先生の色と同じなの」
金髪だった母親から譲られることの無かった髪。
それと同じ色をしているということは・・・