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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~



「太陽の光だけが全てだった私の世界を、大きく広げてくれた先生。でも・・・本当は、先生こそが闇に囚われていた」


思えば、先生に出会った時期とそれは重なっていた。


「私が成長するにつれて、母は心の病気を患うようになっていった。だんだん“父親”に似ていく私に耐えられなかったんだと思う」


“貴方さえ生まれなかったら”

たった数回しか顔を合わせることがなかったけれど、その度にそう言われた。
そして、その度に思った。

それでも生んでくれてありがとう。
殺さないでいてくれてありがとう。

おかげで、先生が教えてくれた“外の世界”をいつか見に行くことができる。


「母が廃人のようになると、国王の愛情は別の女性に向けられるようになった」

いや・・・それは“愛情”と呼んではいけないのかもしれない。

「私のいた地下牢は、身の回りの世話をしてくれる僅かな召使以外は立ち入りを固く禁じられていた」

だから、そこで起こった不都合な出来事は、誰にも知られることなく葬り去ることができる。

「授業が終わるといつも、先生は私に昼寝をするように言った。不思議なことに、授業が終わるタイミングで眠くなった」

“さあ、今日の勉強はこれで終わり。夕食まで休んでいなさい”

授業の合間に運ばれてくる紅茶に睡眠薬が入っていたことを知ったのは、随分あとになってからのこと。

「ある日、紅茶を飲まなかったせいで寝られずにいたら、信じられない光景を見てしまったの」

ロウソクの小さな明かりの向こうで二つの影が重なり、クネクネと動いていた。
何か怖いモノがそこにいるのかもしれない。
クレイオは布団をかぶりながら、勇気を絞って目を凝らした。

すると、見えてきたのは大人の汚い欲望。





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