第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~
冷たい地下室の牢。
天井と壁の境目にはめられた、小さな明り取り窓から光が差し込む。
それが、クレイオの持つ一番古い記憶だった。
朝はキラキラ、時間が立てばだんだんと真っ赤に染まっていく。
とても、とても、綺麗だと思った。
その光が“太陽”だということを知ってからは、その下にはどんな世界が広がってるのだろうと憧れた。
“私に本物の太陽を見せて”
小さな頃から憧れたその光が照らす場所はきっと、想像もつかないほど“綺麗”なのだろう。
だけど、そこへ導いてくれる人に出会うまでは、闇が私の生きる場所。
「おい・・・全然善くねェぞ。もっと集中しろ」
カーテンが閉じられた部屋で、猛々しい性器を愛撫していると客の男がじれったそうにクレイオの後頭部を掴んだ。
「中途半端な咥え方しやがって・・・これじゃイケねェじゃないか」
「・・・ごめんなさい」
おかしい。
いつも通りに口淫をしているというのに、なかなか絶頂を迎えてくれる気配がない。
仕方なく竿に手を添え、舌でくるくると先端部を嬲ると、ようやく客の口から気持ちよさそうな声が漏れ始めた。
同時にジワリと淫水が滲み出てくる。
「・・・・・・ッ!!」
突然、物凄い嫌悪感に見舞われ、思わず口から男根を吐き出した。
味、舌触り、匂い、感触。
平気で愛撫していたはずの男性器の全てに吐き気を催す。
「どうした?」
「・・・??」
気持ち悪い。
触りたくない。
こんなこと、今まで一度も感じたことは無かったのに・・・