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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第1章 始まりと終わりの町(シャンクス)




あぁ、クレイオという女は、世の海賊達が求める“ひとつなぎの大秘宝”に似ているな。

シャンクスは強い快感で朦朧とする意識の中、そう思った。

ロジャー海賊団以外の海賊にとっては、本当に実在するのかも分からず、ただ漠然と憧れ、闇雲に探し求めるだけの至宝。

こうして抱いていても、本当にクレイオはそこに実在しているのかと不安になることがある。
海賊としてどれほど力を付けても、シャンクスは彼女の前では10代の少年同然だった。
彼女を憧れる気持ちが溢れ、さまようようにその身体を求めてしまう。


徐々に熱が中心へと集まっていくのと相まって、二人の呼吸が荒くなっていく。
それまでは軽く音を立てる程度だった床も、激しく揺れるベットに大きく軋み始めていた。

「シャンクスっ・・・シャンクスっ・・・」

切ない声で名前を呼ばれるたびに、愛おしさがこみ上げてくる。

それにしても、運命とは残酷なものだな。
クレイオ・・・どうしてお前は、おれと同じ“時”を生きていない?


「・・・ッ・・・」


飛び散る汗。
頬をつたう涙。
部屋に響く嬌声。


シャンクスの仲間達は今頃、酒場で宴に興じているだろう。
しかし、樽一杯の酒も、大皿に盛られた肉も、今のシャンクスには興味がない。

どれほどの美酒も、クレイオの肉体ほど酔わせるものはない。
どれほどの肉も、クレイオを抱くことほど満足させてはくれないだろう。

体重を支えている片腕の痺れすらも感じなくなった頃には、赤髪の意識はただ、絶頂を迎えることだけに注がれていた。


「シャンクス」


“今”だけは、一緒に行こう。

二人以外の誰も、辿り着くことができない境地へと。


「ああ、おれも達しそうだ」


シャンクスは、息も絶え絶えのクレイオに深く口づける。

その瞬間。

全身が硬直したかと思うと、憧れてやまない女性の身体の中へと一気に熱を放出した。




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