• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~




それから数分ともたずに、客の我慢は決壊する。


「クレイオ・・・お前は最高の女だ」


快感をまき散らすかのように射精した客は、息が整わないままクレイオの身体を抱きしめてきた。

「さぁ・・・貴方がどれほどの女を知っているのか分からないから、あまり嬉しくはないわ」
「なんだ、拗ねているのか?」

客はクレイオがヤキモチを妬いたと勘違いしたのか、“可愛い奴め”と見当違いのことを言ってきた。
しかし、あえてそれを否定せず、ちょっと唇を尖らせながら頷いて見せる。

「これまで何十人もの女を抱いてきたが、お前は比べものにならない。娼婦にしておくのはもったいないぐらいだ」

「へえ・・・そんなにたくさんの女の人を抱いてきたの───」


その中に愛の無いセックスは何回あったのかしらね。


「もし・・・貴方が抱いてきた女性達の中で私が一番だと思ってくれるなら、また私を“買って”くれる?」

「当然だ。また今晩にでもな」

客は立ち上がると、床に落ちていた衣服を拾った。
それは真っ白なスーツと、「正義」の文字が刺繍された羽織。


「分かっているだろうが、おれのことは・・・」

「大丈夫、お客のことを吹聴するほど私はバカではないわ」


たとえ、海軍本部の将官だろうと、クレイオにとってはただの男でしかない。


「愛しているよ、クレイオ」


そう言いながら太ももの上に置く、数枚の札。
娼婦の愛が欲しければ簡単だ、こうして通いつめて、札束を落とせばいい。

身支度を整えている海兵に、クレイオは冷めた瞳を向けた。




/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp