第1章 始まりと終わりの町(シャンクス)
風呂場から寝室へ点々と続く、滴のあと。
濡れた体のまま、真っ白なシーツに二人の男女が深く沈み込む。
滑りやすい風呂場では、片腕だけでクレイオを抱くことができない。
より深く愛し合える寝室へと移動する時間すらも惜しいとばかりに、シャンクスは右腕一本で抱き上げたクレイオの唇を貪り続けた。
「シャンクス・・・」
彼女の瞳に映る自分は、“いつ”の自分だろう。
まずは“今”の自分を知ってもらうため、指先と舌で敏感な部分を刺激しながら、昂ぶった男根をクレイオの脚の付け根に押し当てた。
「・・・・・・・・・」
それは過去に知っているものと違っていたのか、覆いかぶさるシャンクスを見上げ、少し驚いたように頬を赤く染める。
恥じらう少女のようなその表情に、シャンクスの中でなるべく抑えようとしていた炎が燃え上がった。
「不思議だな。昔は、手に届かない“年上の女”を抱いているような興奮を覚えたものだが・・・」
柔らかな唇にキスをしながら、艶気を含んだ笑みを浮かべる。
「今は、何も知らない“若い女”を抱いているような興奮の方が強い」
蕾を押し広げ、陰核を優しく擦りながら優しい瞳をクレイオに向けた。
その目は昔を懐かしむようでいながら、自分と同じ運命を辿っていないことへの寂しさも伺える。
すると、クレイオはゆるゆると漂う快感に身を委ねながら、シャンクスの長い前髪を指で梳いた。
「シャンクス、貴方だって何も変わらない」
無精ひげが生えた顔、筋肉質の身体、日焼けした肌。
どれも出会った頃には無かったものだけど、その眼差しは昔のまま。