第3章 ある娼婦と海賊のはなし ~サンジ編~
「そういや、このテの話をここでしたのは初めてだったな」
その相手がルフィとは思わなかった。
チョッパーはトナカイで根本から違うし、フランキーはそもそも“機能”しているかどうか分からない。
いや、ロビンにキンタマ掴まれた時に痛がっていたから、そこは大丈夫なのかもしれない。
ゾロは論外だ、考えただけで虫唾が走る。
“下らねェことに現を抜かしているから弱ェんだよ、お前は”とか言ってきそうだ。
お前もこの症状に悩まされてみろ、そうしたら大笑いしてやる。
ウソップあたりなら、普通に下ネタ話に花を咲かせられただろうな・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・」
再び静けさを取り戻すと、萎えたはずの股間がまた疼き始めた。
波を受ける船体のわずかな振動や、帆にあたる風の音だけで、神経がどんどん過敏になっていく。
このまま達してしまいそうなほどの興奮が蘇り、サンジは我慢できずに自身を掴んだ。
頭上には真っ暗な空。
海も重く寝静まっている。
息を殺していれば、きっと暗闇がサンジを包み込んでくれるだろう。
「ごめんね、ナミさん、ロビンちゃん」
君達も乗っている船でこんなことをしてしまって。
その代わり、絶対に二人のことは考えないようにするから。
深呼吸を一つ。
目を閉じて、暗くて静かな深海をイメージしながら扱き始めた。