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嫉恋

第4章 雪原の皇子




花織がくす、と笑って横髪を耳に掛けた。無論、花織が髪を伸ばしたいのは彼のためである。もっとも髪を伸ばすことが直接的に彼によい作用を及ぼすわけではないが、花織自身が彼への思いの丈を表すために伸ばしていたいのである。以前は彼への想いを断ちきるために切ってしまった自らの髪を。

「花織はどんな髪型でも似合うさ、俺が保証するよ。……よし、そろそろ行こう。皆そろそろピッチに向かってるからね」

***

花織は鬼道の指示で前回と同じサイドバックに付いていた。風丸がミッドフィルダーに上がっているため、そのポジションが空くのだ。それは花織にとってとても都合のいいことであった。何しろ、彼の動きしかわからないのだから彼が普段ついているポジション以外に当てられても動きなどわからないのである。

さて、試合を始めようか。そんな時になって雷門イレブン内には衝撃が走っていた。

「あの野郎、なんでディフェンスにいる……!?」
「吹雪はフォワードじゃなかったのか!?」

染岡と鬼道が驚愕の声を上げている。なんと伝説のストライカーと呼ばれているはずの吹雪士郎がセンターバックにいるのである。ストライカーなのだから、普通ならばフォワードだろう。響木が誤って情報を得たのだろうか、花織は単純にそう思った。噂のみが先行していた選手のようだし、その可能性は十分に考えられるのではないだろうか。

だが白恋のメンバー曰く、吹雪はフォワードらしい。だが今はディフェンスなのだそうだ。……その意味が、花織にもまた雷門イレブンにとっても全く理解できなかった。まあ、それは試合をしてみればどうせわかることだろう。

試合開始のホイッスルがフィールドに響く。雷門側のキックオフによって試合は開始された。それと同時に染岡が突っ込む。今日の彼は相当燃えているようだ。吹雪に対する敵愾心でかなり強引な突っ込み方をしているようだ。

「アイスグランド!!」
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