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嫉恋

第2章 想いのすべて




円堂が嬉しそうに顔を綻ばせる。上からジャージを羽織っているものの、花織はさっきの試合をしたままユニフォームを着用している。試合に出る準備は万全だから、すぐに試合を始められるだろう。

「よおし!じゃあ」
「駄目だ!!」

鋭い声が円堂の声に割って入る。その声の主は未だ花織の肩に手を置く円堂から、彼女の身体を引き離して花織の前に立った。

「俺は、花織を試合に出すことだけは反対だ。……危険が大きすぎる」
「風丸……」

苦虫を噛み潰したような顔で円堂の前に立ちふさがったのは、花織の元恋人風丸だった。花織は驚いた様子で風丸の背中を凝視する。

「風丸!月島が出ないとエイリア学園は勝負を受けねえんだぞ!!」

染岡が半ば呆れたような……、だが風丸を多少批判するような表情をして風丸に訴える。それを皮切りに他のメンバーも花織が出ることに対しての肯定の意見を呟き始める。とにかくチームの意向としては"花織が出れば試合はできるのに"ということらしかった。それでも風丸は俯き、皆の意見を聞きながらも険しい顔をして皆に訴えかける。

「俺だって今エイリア学園を倒すことの重要性は分かってる。それをみすみす逃すなんて馬鹿がやることだ。……それでも、それでも俺は花織を試合には出したくない。花織を危険に晒したくないんだ」
「一郎太くん……」

花織は彼の言葉を受け止め、彼の心配を嬉しく思いながら彼の名を呟く。……彼は未だに私に対して心配をくれる。先刻のSPフィクサーズとの試合でもそうだった。いくらなんでも気が付くだろう、よほど鈍感であったとしてもだ。彼が未だに自分のことをとても大切に想ってくれていることを。

「俺も花織が試合に出ることは反対する」

風丸の意見に同調したのは鬼道だった。こちらも厳しい顔つきをして腕を組んでいる。
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