第2章 想いのすべて
少し眉間に皺を寄せて瞳子が花織に問い掛ける。花織はこくりと頷いた。花織は大して、瞳子に対して好感を持っていない。それは第一印象が影響するものもあるし、何より先ほどの選手に理由を説明しない采配のせいだった。
「そうですけど……」
「そう。だったらこれからは無理のない程度に練習に参加して。ユニフォームとスパイクはちゃんと準備しておいてね。貴女レベルの人を選手として使わない手はないわ、よろしくね」
有無を言わさず、瞳子監督はそう言い切ると長い髪を靡かせてその場を去って行った。どうやら必要があれば花織にも試合に出ろ、ということらしい。数十秒間、そこは沈黙していたがぽんと土門が花織の肩に手を置く。何となく、同情するぜと言いたげな顔をしている。
「……あの監督、わけわからないよな。俺は苦手なタイプだ」
「そういうなよ土門。さっきの作戦だって、ちゃんとした理由があったのは事実なんだからさ」
確かに、瞳子が出した作戦はきちんとした意図があったようだ。負傷した選手の怪我をこれ以上悪化させないため。人数を減らすことで相手を前へと誘いだし、相手の裏を掻くため……。しかし花織は眉を顰める。確かにそれは監督が考えたことなのかもしれない、だがそれに気づき、チームに伝えたのは他でもない鬼道だ。
「でも……、私も土門くんと同じ。監督の事、苦手かもしれない……」
花織がそう言って目を伏せた時だった。ジジ……、と鹿公園に設置されている巨大テレビモニターの画面に映像が映る。その映像から聞こえてきた声は、円堂たち雷門イレブンにとって物凄く聞き覚えのある声であった。
「地球の民たちよ、聞け!我らはエイリア学園、ジェミニストームだ」