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嫉恋

第20章 エピローグ




ガーデンに出てみると見知った顔ばかりがそこにいた。友人として呼ばれているのはほとんどがサッカー関係の者たちのようだと今更ながらに気づく。それほど俺は今日、周りが見えていなかったのかと苦笑せずにはいられなかった。俺はガーデンの端に立ち、上を見上げた。式場のバルコニーには新郎新婦の姿が見える。

綺麗だ、花織。

式の始まる前、控え室では掛けることのできなかった言葉を胸の中で呟く。真っ白なプリンセスラインのドレスが良く似合い、美しさで満ちている。幸せいっぱいのお前の表情は、見ている者すべてを幸せにできそうだ。……そしてその隣に立つのは、十年前と同じ青い髪のアイツ。

……風丸がドレスを着ていたらどっちが新婦か分からないだろうな。

髪の長い新郎を見て心の中で悪態をつく。新郎に対して敵意を抱くなんて俺は新婦の父親か何かだろうか。情けない、と分かっていつつ、そんなことを思って自分を慰めるしかなかった。それくらい花織の隣に立つ風丸はタキシード姿が良く似合っていた。どこから見てもお似合いのふたり。今も変わらない、ふたりとも大切な俺の仲間だ。

「花織ー!!こっちやでー!!」

リカが大声でブーケを投げようとする花織に叫んでいる。その横では塔子が呆れたように笑っていた。円堂の結婚式ではブーケを手にしたのは木野だったから余程前回のことが悔しかったのだろう。俺はそんな様子を耳で聞きながらも視線は花嫁から外すことはできなかった。幸せそうに笑い、表情をきらきらと輝かせる花織。

愛しているんだ。……今でも、ずっと。

胸が苦しくて目を細める。彼女はゆっくりと後ろを向いてブーケを宙に放った。その花束はリカの方には飛ばず、またブーケを取ろうとする他の連中のところにも飛ばなかった。

「あっ、手が滑った!」

花織が叫ぶ声が聞こえて俺はハッとする。気が付けば俺の手には花織が放ったはずのブーケがあった。美しい白い花束、次に幸せになれる者が受け取ることができるという花嫁の象徴のようなそれ。
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