第17章 悲しみの結末
言っても無駄だとわかっているが、言わずにはいられなかった。このキャラバンに参加してから、吹雪の中には花織に対する特別な感情があった。彼女が自分に気づいてくれてからは益々大きくなったこの気持ち。
いつか言おうと思っていた。エイリア学園を倒して、どんな形であれ自分の決着がついたその時に。
花織は吹雪の言葉に驚いたようで、少しの間何も言わなかった。まさか吹雪が自分に対してそんな想いを抱いているとは考えもしなかったようだ。だが彼女はすぐにその言葉の意味を飲み込むと少し悲しげに微笑む。そして吹雪の告白に対する答えを迷いなく告げた。
「……士郎くんの気持ちは嬉しいよ。でもごめんなさい」
さらさらと穏やかな風が花織の髪を揺らす。花織の気持ちは彼にしか向いていない。ずっと今も会いたいと願うあの人。
「私には一郎太くんしかいないの」
花織は微笑んですら見せる。それが嘘偽りの無い正直な気持ちだ。吹雪は彼女の答えに頷いた。
「うん、知ってる。それでも伝えたかったんだ」
白恋で花織と出会った時からわかっていた。花織が彼に抱いている並々ならぬ気持ちを。共に過ごす時間の中、君がどれだけ彼のことを想っていたのかを。その後、朝日の中で幸せそうに話すふたりを見て僕が割り入る隙はないのだということも。
「僕とはこれまで通り、仲間でいてくれたら。……それでいいから」
自分の気持ちが報われることは無いとわかっている。それでも自分を支えようとしてくれたこの人に感謝の意味を込めて伝えなければならないと思ったのだ。吹雪は花織の首に掛けられたペンダントの鎖を見つめる。
君の気持ちはどうやったって揺らぎはしないだろう。
「花織さん、風丸くんに早く会えるといいね」
「……うん」
花織が微笑む。吹雪が助けられてきたその温かく優しい笑顔で。