第16章 交錯する想い
エイリア学園、ダイヤモンドダストからの宣戦布告が雷門イレブンに届けられた。
沖縄から東京への旅路を経て、ようやく一息を付き、それぞれが帰路に付こうとしていた時のことだった。空から黒いサッカーボールが現れ、雷門イレブンへのメッセージを届けた。先日聞いたダイヤモンドダストのキャプテン、ガゼルの声でだ。
フットボールフロンティアスタジアムで待っている。こなければ黒いサッカーボールを東京に無作為に落とす。
ガゼルの冷酷な言葉は雷門イレブンを震撼させた。それを聞いて一行はすぐさまにフットボールフロンティアスタジアムへと駆けつけた。瞳子の指示で豪炎寺をフォワードに置き、戦術を立てる。今回の試合は花織は待機、そして吹雪もベンチのようだ。
「士郎くん」
花織は皆から離れて一人で座っている吹雪に声を掛ける。チームの皆はどこか吹雪に対して気遣っているようで、彼が1人で行動することに対して何も言わない。でも花織は吹雪の傍に寄り添いたいと思った。先日の言葉を聞く限り、彼の心の中では花織を煩わしく思う感情もあるのだろう。でも放って置けない、一人で悩ませたくない。
何故なら吹雪は花織の仲間だからだ。
「隣に座ってもいいかな」
「ああ……、うん、いいよ」
吹雪がぎこちなく微笑む。花織は吹雪にありがとう、と言って微笑みかけると彼の隣に腰を下ろした。吹雪はじっと花織のことを見つめていた。
先日自分が口にしたこと、もちろん彼は覚えている。きっと彼女は離れて行ってしまうだろうと思った。なのに、どうしてこの人は。
「花織さん……」
「なあに、吹雪くん?」
まるで花のように優しい笑顔。僕が欲しいと思った笑顔を、今も僕に向けてくれるのだろうか。