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嫉恋

第12章 心の均衡




「ゴッドハンド!!」

思いにもよらない技名が叫ばれた。花織も風丸も円堂の隣で目を剥いた。確かに、間違いなくゴッドハンドだった。円堂大介が考案した、円堂守の代名詞とも呼べる技、ゴッドハンド。雷門のゴールを幾度となく守ってきた技だ。それをあの一年生がどうして……。

「ゴッドハンド……、ゴッドハンドだ!!」

円堂が感激した様に声を上げ、立向居の元へと走り出す。だが当の円堂以外の雷門イレブン、中でも特に古参の者は驚きを隠しきれなかった。土門や壁山などはぽかんと口を開けて未だ立向居を見つめている。風丸は口こそぽかんとあけてはいなかったが、目の前で起こった信じがたい光景に見るからに動揺していた。

「凄いよ立向居!!お前やるじゃないか!!」
「ありがとうございます!!」

円堂が立向居の手を握ってブンブンと上下に振る。立向居も照れくさそうにだが嬉しそうにそれを受けた。

「でもどうやって……」
「アイツはゴッドハンドの映像を何度も何度も見て死ぬほど特訓したんだ」

率直な疑問を風丸が思わず呟けば、陽花戸中学サッカー部のキャプテン戸田が誇らしげに言った。見ただけで出来てしまう。そこに多少なりと練習があったにしても、フットボールフロンティアが開催されてからまだそんなに時間は経っていない。この短い期間で、少なくとも円堂が血の滲むような特訓をして修得した技を会得してしまったというのか。

「凄い才能……」

花織が立向居を見て零した。風丸は才能、という言葉に思わず顔を背ける。才能、その言葉はナイフのように風丸の心を傷つけた。立向居勇気はもしかして、円堂よりもキーパーとしての才能があるのかもしれない。自分の才能を吹雪がずっと凌ぐように。自分の事ではないのに、自分の現実を突き付けられたような気がして風丸は酷く胸が苦しくなるのを感じた。

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