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嫉恋

第7章 瞳に映る君




木暮の加入はどう転がるかは予想できなかった。一之瀬や吹雪、円堂は意外性があって面白いのでは、楽しんでやればいいと楽観的な考えを持っていたが、他のメンバーは木暮の実力に対して疑問を持っている者が多かった。だが春奈の説得もあって木暮をメンバーとして加えることにもう反対するものはいないようであった。

「雷門イレブン!ジェミニストームを打ち破った唯一のサッカーチーム。たったそれだけのことで我らに勝てると思うとは、我らイプシロンの選手たちも随分舐められたものよ」

デザームが腕を組み、薄ら笑いを浮かべながら言う。そして彼はこう言葉を続けた。

「聞け雷門中!破壊されるべきは漫遊寺中に非ず、我らエイリア学園に歯向かいつづける雷門イレブンと決まった。そして漫遊寺中は6分で倒した。だがお前たちはジェミニストームを倒した栄誉を称え、3分で決着とする。光栄に思うが良い」
「3分!?」

円堂が叫ぶ。随分と舐められたものだと、こちらが言いたいくらいだった。雷門イレブンからも不服の言葉が挙がる。相手の挑発に対する怒りから皆、やる気は十分だ。

試合は雷門イレブンの攻撃よりスタートした。一斉に選手は走り出したが、新参木暮は動かなかった。試合直後、すぐに2トップである吹雪と染岡に二人ずつマークがついた。監督の見立てによるとイプシロンの戦い方は完全に相手のフォワードを封じて攻撃を削いでくる、という戦い方らしい。今の流れを見たところそれは間違いないようだ。

「!!」

吹雪がマークについていたスオームとメトロンを振り切ってエターナルブリザードを放つ。だが、エターナルブリザードは片手であっさりと止められてしまった。雷門イレブンに動揺が走る。今まで決められなかったことなどなかったエターナルブリザードが止められ、チームはおろか吹雪自身も動揺しているようだった。

そこからは圧倒的な試合だった。ほとんど一方的なタコ殴り状態だ。唯ひとり、加入したばかりの木暮を除いては。木暮だけがイプシロンの攻撃から逃げ回っている、ボールの動きを見切っているようだった。

そして試合開始からちょうど3分、今まで誰も受け止めることのできなかったデザームの放ったボールを、木暮がカットし試合は終結した。粉塵が巻きあがった後にはイプシロンの姿はどこにもなかった。"10日の後にまた勝負をしてやる"その言葉だけを残して。
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