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嫉恋

第4章 雪原の皇子


***

その日の夜、夕食を済ませた花織は寒空の下で雪を眺めていた。

あの試合の後、染岡と吹雪の間に一悶着あったのだが、それでも吹雪が正式にイナズマキャラバンに参加することが決まった。染岡は納得がいかなかったようだが、円堂が何とか説得したらしい。一応夕食の時点では、吹雪を睨み付けてはいたものの特に文句を言いはしなかった。

吹雪はというと、あの試合の後すぐに出会った時と同じようなふわふわとした雰囲気に戻っていた。あの性格がいったい何なのかはわからないが、雷門イレブンはそれをあまり重要視していないようである。

花織は白い息を吐きながら深々と降る雪を両手に受けた。手に落ちた雪を街灯に照らせば、美しく手の中でそれは煌めいた。それにまた花織は息を吐く、やはり昼間に行った雪遊びもいいがこうやって静かに雪を眺めるのも花織はとても好きだと思う。

彼と一緒に眺められたら、花織はふとそう思った。そして校舎を振り返る、きっと彼は今雷門イレブンが食事を摂ったりする為に用意された教室にいるだろう。みんなと楽しく過ごしているかもしれない。そんな中彼をこんな寒いところまで呼び寄せるのには気が引けた。

でも……、彼に用があるのだとしたら。花織はそう思う、花織はずっと彼に伝えたいことがあるのだ。どうしてか告げようとするたびにそれは妨げられてしまうのだが……、そろそろ本当に彼と話したいと思う。このままの関係でいるのは花織にはもどかしくて仕方がない。

花織は決意を固めてコートのポケットから携帯電話を取り出した。ここで、とは言わないが彼と寒くなく、雪が見える場所で落ち合えたらと思う。雪が見える中で自分の想いを伝えられたら、なんとロマンティックだろうか。花織も年頃の女子であるからそういうシチュエーションには憧れる。

携帯電話に彼の番号を表示させる。気づいてくれるだろうか、寒さと緊張で少し手が震えたが大きく息を付いて心を落ち着かせる。

「花織、さん?」
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