第7章 宿泊時のお約束
『この部屋でございます。』
千尋さんにとおされた部屋は畳が敷かれた和室で大きな窓が暗い山の風景を映していた。
『夕食はこのあと一階の大松という部屋で出されます。』
千尋さんは小さくお辞儀した後、部屋から出ていった。
『腹減った。早く食いに行こうぜ!』
『そうだな。』
荷物を部屋の隅に置いて大松に俺達は向かった。
長い廊下を渡り階段を降りた右側に大松はあった。既に中にたくさんの人がいるようだった。まぁ誰がいるかは想像はついている•••
スーッと襖を開けて部屋に入る。
『•••••••••••••••』
俺達が入った後、さっきまではガヤガヤとしていた部屋がシーンと静まりかえった。
『こんばんわ、ヘルマンにアーダルベルト。』
その静まりかえった雰囲気を裂くように大声を出したのはオスヴァルトだった。
『こんばんわじゃねえよ、俺達を監視しやがって。一回死ね•••』
俺はそう叫ぶとともに軍服からジェムテック・オアシスピストルをオスヴァルトに向ける。
『まあまあ、気を落ち着かせろ。別に監視したくてお前と同じ旅館にしたんじゃない。たまたま同じ旅館になっただけだ。夜ぐらいイチャイチャしても俺は構わんしな。』
『•••••••••』
別にイチャイチャしたいわけじゃないが監視する気がないなら粛清する必要はない。
俺はジェムテック・オアシスピストルをしまった。